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2018-12-28 16:36
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DiaryInformation

ひとり働き方改革

この一年は働き方を変えなければいけない。変えなければ働けない。
そんな、ひとり革命の年でした。

ずっとずっと悩んでいましたが、これは治るものではないし、一生のことなので、
やっぱり自分の病気の話を少しすることにしました。
そして、はたらき方の話も。
以下長文になります。

昨年の2017年12月に自己免疫疾患で全身性炎症性疾患の難病を発症しました。
10万人に4人という珍しい病気。
それは今まで聞いたこともないような病名の病気で、(病名は控えさせていただきます)
一体自分の身に何が起きたのか受け入れるのに時間がかかるものでした。

自己免疫疾患とは、本来自分を守るはずの免疫が機能しなくなって自分自身を傷つけてしまうというもの。
免疫ってすごいもので、人間の身体をいろんな菌やウィルスから守ってくれる魔法のようなシステムなんです。
それが壊れると身体は大変なことになってしまうということを身をもって体験してます。

難病とは、ざっくり言うと原因が不明、現在の医療では明確な治療法、治療薬がないため、
完治は望めず国に難病と指定されている病気のことです。

幸いなことに、わたしの病気は完治はできずとも、寛解を目指すことはできると言われているので
今も寛解を目指して薬の服用、通院を続けています。

ただ、薬を飲むと強い副作用が伴います。
むくみ、手の痙攣、からだの筋肉の減少、それに伴う怠さやしんどさが強く、
病気による関節炎やたびたびの微熱や頭痛もあるので日常的な生活にも影響が出たり、
胃腸衰弱、肺炎や感染症、骨粗しょう症にもなる恐れがあり、それらの予防薬も服用しています。

手の痙攣や筋肉の減少は間違いなくお菓子作りに影響があり、
長時間立ち続けながら集中力が必要となる細かい作業や体力仕事は今の私にはなかなか厳しいものになってしまいました。

cinecaのお店「四月」ではせっかくお店まで足を運んでくださるならできるだけ多くの種類のお菓子を置いて販売したいという思いがあります。
ただお菓子には賞味期限という壁があるので短期間でたくさん作らなければいけない。
それがいま一番難しいことです。
お店のオープンの予定は未だに立ちません。(でも必ずまたオープンします!)

もちろん、今できることもいろいろあります。
たとえば雑誌などの連載のお仕事だったり、
座っても仕事ができるコラムのお仕事だったり、
webマガジンなどでの企画や菓子制作のお仕事、
それに種類を絞ったお菓子の販売も。
ことしは、そういった仕事を新しくはじめたり、
販売もすこしずつ再開したり、とできる範囲で進んできました。

文化や芸術はあたりまえに在る生活の上に成立するものだと思っています。
あたりまえの健康、あたりまえの平和。
それがないと生み出したり楽しんだりすることが難しいものです。

私の生活にはもう「あたりまえの」はありません。
朝起きること、ゴハンをつくること、食べること、人と話をすること、どこかへ出かけること。
これらは全て特別に素晴らしいことだと感じるようになりました。
でも、私は、そんな「生」にしがみついて生きてはいきたくないんです。
なるべ生を意識せずにいきていきたい。
あたりまえの、その上、その先にある、非日常。
特別な喜び、あたらしい驚き。
そんなものを生み、つくり、届け、その世界で生きていきたい。
丁寧に、力いっぱいにエネルギーを集めて。
今もそう強く思っています。

変化を受け入れるということはとても勇気のいることですが、
これを病気の恩恵と信じて新しく前に進んでいけたらと、
生活を模索し、今できる精一杯のことを実践する日々です。

cinecaのお菓子を届けたい。
そして、私がお菓子を作るきっかけとしているだいすきな映画も届けられたらいい。
そういう気持ちがなくなってしまわないように、
上手に気持ちに寄り添って歩いていけたらいいなと思ってます。

ここまで読んでくださったみなさまありがとうございます。

これからもお菓子とそして映画を、人生のエッセンスやスパイスとして届けられるように
新しいペースで歩いていきますので、お付き合いいただけましたら幸いです。

改めまして、いつも応援してくださるみなさま、コラムを読んでくださるみなさま、
お菓子を買ってくださるお客さま、本当にありがとうございます。

来年もこの先も、手のひらサイズのあたらしい世界を届けられますように。
その驚きや喜びがだれかの活力になりますように。

2019年は個展も予定しています。
この一年のあいだ、少しずつ準備してきたものです。

今年も残すところあと3日。
みなさま、良いお年をお迎えください。

cineca
土谷みお

2018-10-23 17:23
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ActivityInformationWorks

新しい餃子の話。

IMG_4876

突然ですが、餃子の活動をはじめました。
名前は「トゥギョウザー」といいます。

メンバーは、

能作淳平(建築家)
鳥巣智行(コピーライター)
古谷萌(デザイナー)
土谷みお(菓子作家)

の4人。

今年はつくることや自分について考えることが一段と増えました。
そんな中ひとりではできないことを何かやってみたい。という思いが強くなって。
餃子を入り口にしたコミュニーケーションや食、つくることについてなど
話したり考えたりする場があったらいいなとはじめた活動です。

まずは「新しい餃子の話。」というタイトルで、Pen onlineにて月1連載がはじまります。
ここではゲストを招いて5人で会話を重ねながら見たことないようなギョウザをつくります。

→ Pen online 「新しい餃子の話。」
第一回目は“自己紹介のギョウザ”というテーマで、それぞれを語るためのギョウザをつくりました。

ちなみに土谷は「口実のギョウザ」という名の甘いギョウザを
まるで焼く前の生餃子のようなビジュアルでつくりました。
餡にもこだわってます。

餃子が好きな人にもそんなに好きじゃない人にもくすくす楽しんでもらえますように。
今回はまずは4人の紹介を。という内容で、次回からはゲストが登場します!

おとなの本気の遊びを見せていけたらいいなと思ってます。

そして、トゥギョウザーのinstagramアカウントもつくりました。

@togyother/

連載には載せきれないこぼれ話や写真、餃子が食べられるお店のリサーチなどなどアップしていきます。
フォローしてもらえたらうれしいです。

2018-09-18 15:28
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ColumnInformationWorks

PINTSCOPEでコラム連載はじまります

Print

松竹が発信する映画にまつわるwebマガジンPINTSCOPEで、コラムの連載がはじまりました。

ポップコーン、アイスクリーム、パイ、ゼリー・・・
映画にはたくさんのお菓子の登場があって、
それってなんのため?って考えながら映画をみるのが好きです。
そんなことを伝えられたらいいなという思いでコラムを書きます。

テーマは「映画の中のお菓子」。
毎回ひとつお菓子を決めて、
そのお菓子が登場する映画をいろいろご紹介しながらちょっとおかしな話を。

第一回目は 「ポップコーン」について 。
ポップコーンってテディベア? な文章を展開してます。

イラストはstudy and designの古谷萌さんに、
コラムの内容をイメージしたちょっとシュールなイラストをお願いしました。

イラストも合わせて、たのしんで読んでもらえたら嬉しいです。

cinecaのおかしネマ vol.1 「テディベアなポップコーン」

2018-09-12 11:06
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InformationPressWorks

Topawards Asiaでパッケージデザイン賞を受賞しました

apieceof

cinecaの定番商品、a piece of-時間を溶かす静かのラムネ-のパッケージが、「Topawards Asia」を受賞いたしました。

Topawards Asiaとは、アジアを対象とする
優れたパッケージデザインに贈られる賞です。
今回、「Less is More」というテーマに沿って集められた商品の中から
受賞させていただきました。

cinecaのお菓子はお菓子のアイデア出しから商品化、
パッケージデザイン、お菓子の制作まですべて土谷がひとりで制作しています。
a piece ofは2014年に開発、商品化したお菓子で、
時間を経てこのような賞を受賞できたことうれしいなと思います。

すこし長いですが、
お菓子とパッケージのコンセプトを改めて。
もしよかったら読んでみてください。

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このお菓子は、交通事故が原因で片目以外が動かず、
話すこともできなくなった男性を描く映画「潜水服は蝶の夢を見る」から着想を得て作られています。
編集者として言葉に関わる仕事に携わっていた主人公。
彼が言葉を話せなくなったとき、言葉の意味や強さ、
響きにも大きな変化が生まれたことが印象的でした。
その、状況によって感じ方が変わる「言葉」をこの映画のテーマと捉え、
その「言葉」を環境によって岩から小石、
砂へと姿を変える「石」に例え、お菓子に落とし込みました。
味は3種類、sea(海)はローズマリー(一番薄いグレー)、
river(川)は桜(中間のグレー)、
mountain(山)はジンジャーの味(濃いグレー)。
それぞれの場所をイメージした味と色と形で作っています。
パッケージはお菓子をできる限り邪魔することなくシンプルに見せることを心がけ、
また、心や頭に刻まれる言葉の強さの表現として「空押し」技法を使っています。
箱の上面のマークは、上から順に海、川、山。
その場所を語る形を一本線からの強弱で表現しました。

“The idea for this sweet is conceived from “The Diving Bell and the Butterfly”, a film that portrays a man who cannot move his body other than his eye due to a car accident. The main character worked as an editor, a job that involves using words. When he lost his ability to speak, the change that was brought to the meaning and power of words left an impression on me.

“Words” makes one feel differently depending on the situation, and seeing this as the theme of the film, the “words” are reimagined as “stones”; from rocks to small stones to sand that change its form with the environment, and are transformed into sweets. There are three flavours: “sea” in light grey and rosemary in flavour; “river” in a medium grey, cherry blossom flavoured; “mountain” in a ginger flavoured dark grey. The flavours, colours, and forms are imagined for each place.

The packaging is made to be as simple as possible as to not to get in the way of the sweets, and to express the power of words that engrave themselves in our hearts and minds, a blind embossing technique is used. The mark on the top of the box conveys the sea, river, and mountain with a single line that varies in thickness.”

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2018-07-10 21:59
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InformationPress

ブレーンに掲載されました

BRAIN_cineca

広告・デザインの専門誌「ブレーン」(7/1発売)で
アートディレクターの増田総成さんにcinecaのこともすこしご紹介いただいてます。

ブレーンは前職で関わっていた雑誌なので
cinecaのことを掲載される日が来たことがじわじわと嬉しい出来事です。

表紙は毎号違うデザイナーやアーティストが手がけるグラフィックなのですが、
今月号の表紙は夏っぽくてかわいいですね。

覗く機会がありましたら見てみてください。

2018-05-02 23:34
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Event / ExhibitionInformation

母の日のおくりもの

ROSE3__cineca

きがつけば5月になっていました。
病気を発症してから半年近くたち、毎日すこしずつ寛解をめざし身体は戦っています。
完治はないので一生この病気といっしょに歩んでいかなくてはいけない。
それは突然現れた人生の伴侶のような存在で
まだ自分のなかに100%受け入れることはできないけれど
すこしずつ受け止めていけたらと思っています。

病気になると、いままで気にもとめていなかったのものに目がいったり、
あたりまえだったことに大きな感動を覚えたりと
毎日のちいさな変化がたまらなく愛おしく生きることができるようになった気もします。

いちばんつらかったときには家族の力を感じました。
とくに母には大きく支えてもらいました。

だれにでも母という存在はあって、
それは近くても遠くてもきっと心の中に生きている。
そういう特別な存在だと思います。

一年に一度訪れる母の日は、
伝えることのできる人はきっとなにか想いを伝えることができたらいい。

言葉にすることはむずかしくても、
お菓子やお花にのせて、もちろんそれ以外のアイテムでも
それらに語らせることもひとつの方法だったりします。

まだ寛解を目指す途中の身体ですが、
この日こそはなにか力になりたいという想いから、
cinecaのお菓子をすこし販売したいと思います。

いま作ることができるものと少数に限られてしまいますが、
すこしでもという気持ちでひさしぶりの制作です。

対面販売は難しいので、オンラインストアから販売させていただきます。

販売は5月5日11時にスタート。
お届けは5月12日を予定していますが、
特別に指定日をご希望の方は備考欄に記入いただきご注文をおねがい致します。
また、ラッピングをご希望の方はラッピングも一緒にご購入ください。

今年度から送料が値上がりしました関係で送料の価格を変更させていただいています。
また、季節があたたかくなってきたのですべてクール便でのお届けとさせていただきます。

どうぞよろしくおねがい致します。

cineca
土谷みお

2018-02-23 17:35
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DiaryEvent / ExhibitionInformation

cineca6周年です

cineca_cc

2017年2月22日でcinecaは7年目を迎えました。
6年分の出会いや出来事が積み重なって今があります。
本当にたくさんの人に支えられてきました。

7年目は今までとすこし違う年になりそうですが
改めて私にとって我が子のようなcinecaを育てていけますように。
新しい出会いを楽しみに制作に向かえることめざして大切に前に進みます。

まだ制作や販売を始めることは難しい状況ですが、
毎日、ゴハンを作ることを制作へのリハビリとしたり、
お菓子の試作や自分が食べたいおやつを作ることも生活に取り入れ、
すこしずつ前進しています。
早くたくさんの人のもとにcinecaのお菓子を届けたい..!
という思いをぐっとこらえて、
慎重に進んでいけたらと思っています。

2月22日は6周年記念に、自分のためにチョコチップクッキーを焼きました。

チョコチップクッキーは失敗から生まれたと言われてるお菓子。
生地に溶けて混ざると思って入れたチョコレートが溶けずに残って
“チョコチップ” となりうまれたクッキーなんです。
失敗から学ぶことがあったり、それは発明になることもあるかもしれないことにわくわくしながら
生きていきたいものだなぁと。

最後にチョコチップクッキーつながりで、スヌーピーからラブリーな名言を。

“What do you do when you feel that life is treating you unfairly?”
“Learn to bake your own cookies.”

「人生って不公平だなって感じるとき、どうしたらいい?」
「自分のクッキーの焼き方を覚えなよ」

2018-02-14 23:12
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InformationPressWorks

景気のケーキ、電通総研Bチームのサイトに掲載されてます

SOKEN_cineca

気がつけば2年近く?前の夏の暑い日につくった「景気のケーキ」。

こちらは電通総研Bチームからご依頼いただいた“情報の五感化/Infoexperience”の試みで制作したものでした。
まさに、脳と脳とぶつかり合い?掛け算?が起きた仕事で、
いまでもその興奮を覚えてます。

Bチームの試みは一言で伝えることは難しいですが、
わかりやすいwebサイトがついに公開されたようなのでこちらでぜひ。
「景気のケーキ」も掲載されてます。

先日、Forbes Japanで掲載された記事へもリンク貼られてますのでぜひご覧ください。

https://bbbbb.team/creative_process/infophisical/

2018-02-05 22:13
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Information

ご報告

二ヶ月経ち、ようやく退院し家に帰ってくることができました。

入院中はたくさんの方にメールをいただきご心配おかけしてしまったことと思います。
こちらにて退院のご報告させていただきます。

これから完快を目指して生活を取り戻しながら仕事復帰目指します。


連載やいただいた取材ご依頼などは引き続き進められればと継続しているものもあります。

入院後半は今年、この先やりたいことが溢れてきてノートにたくさんのことを書き留めました。

その中のひとつでも今年実現できたらいいなと試作繰り返したり悩んだりしながら楽しみに進んでいきます。


再開最初はどこでとなるかな?
またお菓子をお届けできる日が楽しみです。

お菓子の販売再開の折にはまたこちらやSNSでお知らせさせていただきます。


次回の「四月」オープンのときには、来てくれた人たちへ配りたい浅草MAPも用意する予定です。

浅草という街は本当に面白いところ。

たくさんの人に街の魅力を知ってもらえたらいいな、と思いながら作ってみようと思います。

cineca
土谷みお

2018-01-09 13:17
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Information

2018年になりました

あけましておめでとうございます。
2018年もよろしくお願いいたします。

新年早々複雑なお知らせとなりますが、去年の12月から急に体調を壊しすこしやっかいな病気になってしまいました。
いまも入院生活が続いていて退院後生活を戻していくのに時間がかかりそうです。

この初夏までにたくさんの楽しみな仕事が控えていたのですがそれも中止や延期させていただき、新しいペースですこしずつお菓子を作り販売するというところに立ち返るタイミングになる2018年となりそうです。

2018年最初の販売がいつになるかまだお知らせが難しい状況ですが、みなさんのもとにcinecaのお菓子を届けたいという思いは今も変わらず大きいです。
お菓子をつくることは、体力を物凄い消耗するだけでなく忍耐力、緊張感、集中力も必要不可欠です。普通にやっていたそのことを取り戻せるようにすこしずつ歩いていきたいと思います。

新しい視点で世界や命をみて、それを自分なりの形で還元できるよう生きていきたい。届けたい。
食べること、口にすることは生の喜びであり人としての文化の結晶なんだと改めて気づく機会にもなりました。

回復までの視点もすこしずつ発信していけたらと思ってます。見守っていただければ幸いです。

新年早々このような挨拶となり申し訳ありませんが、2018年もお付き合いいただけますようどうぞよろしくお願いいたします。

仕事の再会が決まりましたら都度お知らせさせていただきます。
連載や取材などは引き続きできる範囲で継続予定です。

cineca
土谷みお

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